「日本の童謡」CDの トリビア
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その1) ジャケット画の旗の「だいすき」の秘密
CDのジャケット表紙のハート地球は、八分音符をモチーフにしているのですが、その旗には「だいすきと書かれています。実は、バリトン森口賢二氏による筆跡で作成しています。森口賢二さんファンの方は必見!!
その2) 本当は39曲、収録予定だった
実は、もう一曲、「あめふり」北原白秋作詞・中山晋平作曲 大正14発表を収録していたのですが、歌詞が間違っている楽譜を使って収録してしまったので、泣く泣くボツとしました。わずかな間違いでしたが、原曲に忠実にという今回の主旨から外れてしまうための決断でした。皆様が良く知っている曲なので、とても残念でした。
その3) 3才の思い出「犬のおまわりさん」
35曲目の「いぬのおまわりさん」は、ピアノ&フルート奏者の熊澤弥緒が3歳の時、生まれて初めて歌を録音した曲です。祖父の家の床の間をステージにして、お客様の役は家族。その時作ったカセットテープは暖かい思い出として今も熊澤さんの宝物です。そんな思い出がこのCDを作らせたのかもしれません。
その4) キャラ専、風景とメカに苦戦
絵を描いた中間恵子は、3DCGデザイナー時代キャラ専門(キャラクターばかり扱っていました)でしたので、有機体系形状の作画は得意なのですが、無機質系作画や風景画に苦戦しました。今回、ジャケット画に出てくる汽車単体で、作画に1ヶ月、海や山の見開きページも、やはり作画に1ヶ月もかかってしまいました(とほほ)。キャラ系は得意でした。今回使用した13作品の絵全て「日本の童謡」のための描き下ろし、作画だけで5ヶ月を要しました。
その5) レアな「月の沙漠」
童謡集CDは沢山ありますが、「月の沙漠」が入っている童謡集は少ないです。この曲は他の童謡と違って著作使用料が高いのです。今回は、他の曲の6倍の著作権使用料をコロンビアに支払い、更にJASRACに作詞の使用料の支払が別途派生します。つまり、「月の沙漠」は1曲で他の曲の7倍の著作権使用料がかかるという訳です。手頃な定価設定の場合、採算性を考えると、なかなか選択しがたい曲なのです。ですので、この曲数と価格設定で、このレアな曲「月の沙漠」入り、貴重な童謡集になりました。
その6) 3月3日の「ハルが来た」ふじようちえん
「春が来た」は、ふじようちえんのおともだちが歌いました。ふじようちえんには「ハルちゃん」という可愛い女の子のポニーがいます。この子がふじようちえんに来たのが3月3日。「春が来た」は「ハルちゃんが来た」という意味も込められているんですよ。
その7) ジャケット画表紙、旗の「だいすき」の秘密 2
なぜ、旗に掲げたた文字は「だいすき」なのか?。
それは、「だいすき」は、無条件の応援語だから、という、作画者(中間恵子)の思考がベースにあるからでです。みんな(子どもや地球、あらゆるモノのそのまま、そのもの)を応援していることを意味している旗なのです。
その8) 「どんぐりころころ」は「ふじようちえん」でも体験できる!
どんぐりがポちゃんとお池に落ちたら、ドジョウはどんな動きをするのかを子どもたちにも知ってもらいたいと、ふじようちえんの園庭には、大きなタライを二つが置いてありました。一つはドジョウのタライ。もう一つはドングリのタライ。そこで、熊澤弥緒さんは、思わず興奮して、子どもたちがいない時間に何度もドジョウのタライにドングリを入れてしましました。
その9) 「どんぐりころころ」 3番!!?。
「お母さん、どんぐりコロコロの三番が思い出せないの」と、ある日熊澤弥緒さんのお子さんが言いました。「幼稚園で今日習ったのに」と。2番までしか知らない熊澤さんはお子さんが他の曲と勘違いをしたと思いました。しかし、調べてみたら、お子さんが間違えていたわけではないことが判明!世の中のお母さんも、同じように子供が勘違いをしていると思った方が大勢いるのでは?と思い、これはCDに入れて、みなさんにお知らせしたいと熊澤さんは考えました。 詳細はおもしろ「日本の童謡」ページの「どんぐりころころ」を参照ください。
その10) 噴火でなくて、文化。「富士山」
昨年(2013)に日本の富士山が世界文化遺産に登録されました。その時点で「日本の童謡」のCD収録曲は決定していたのですが、音楽担当でない中間恵子が唯一、ゴリ押し提案した曲が「富士山」でした。山梨県出身で、家・学校・道あらゆるところから見える富士山を毎日見て育った中間にとって、富士は特別な山のようです。北杜市から見る富士山は予想外に絶景です。ちなみに、現在の中間の在住の東京の自宅からもかろうじて富士山が見えます。中間によれば富士山の見え具合で季節や空気感や気候をはじめ、自分の心の奥まで察することができるのだとか。正に文化遺産です。富士山の絵については、絵の世界のページを参照ください。ちなみに、熊澤さん宅からも富士山が見えます。ふじようちえんの正門前の道からの富士山も見事です。
その11) 「通りゃんせ」は本当に怖い?
バリトンと言えば、オペラでは悪い役が多いです。森口さんは、「通りゃんせ」を子どもが泣くほど、怖く歌ってみたいと言ってましたが、CDではマイルドにしました。なぜなら、CDでしたら、子どもが泣く姿を親が見るだけになってしまうからです。今後、コンサートでは、子どもが泣くほど怖く歌ってくれるかもしれませんよ。通りゃんせは、なぜ怖いのかは、おもしろ「日本の童謡」ページの「通りゃんせ」を読んでみてくださいね。
その12) 国立音楽大学と富士山
熊澤さんが高校生だったころ。国立音楽大学の試験日に富士山を見ると、不合格になるという噂がありました。しかし、玉川上水駅からは、音大の後ろに富士山が悠々と構えるのを見ながら進む道しか無いのです。見ないで歩くには、天気が悪くなることを祈るか、電車を諦めて車で行くという手段しかありません。そんなことにビクビクしながら、受験当日、見事な日本晴れ。富士山は美しく熊澤さんの目の前に現れました!でも、無事にその年、熊澤さんは入学式に参加出来ました。
その13) 札幌時計台の絵には
札幌市時計台は、国指定重要文化財です。調べて見ると、札幌時計台の写真の利用には許可が必要なんです。写真だけでなく、時計台を描いた絵を使用するのにも届け出が必要でした。時計台のイメージを大切にされているんですね。それだけ、札幌の方にとって心に繋がる大事な建物なんだなと感じます。もちろん、「日本の童謡」CDでも札幌時計台の許可を得て時計台の絵を載せています。時計台は、1878(明治11)年に建設されました。動力は今もなお、おもりを人力で週に2回巻上げています。今に伝えて続けて来たみなさんの心が時計台の今を築いています。時計台の鐘は現在も毎時間、夜間もなっています。まわりがオフィス街なので夜間に鳴らしても大丈夫らしいです。夜の時計台も魅力的ですね。
その14) 指揮者がいなくても・・・心はひとつ
38.「春が来た」(ボーナストラック)は、ふじようちえんのおともだちの心が一つになった曲だと感じます。約200人ずつが入れ替えで歌ってくれました。なんと指揮者はいません。ピアニスト熊澤弥緒さんが伴奏を弾き始めると、全員、同じタイミングで歌いだし、同じタイミングで歌を終えるのです。ふじようちえんでは、音楽を専門的に勉強をしているわけではありません。熊澤さんやスタッフ全員、涙が出そうなぐらい、おともだちの歌声に感動し幸せを感じました。
その15) てんとう虫は、ラッキー!!
ジャケット内の表紙以外の絵の全てに、てんとう虫が隠れています。てんとう虫は、昔から西洋では、誠実な者にとまる幸せの虫と言われています。 見つけたら、きっと、見つけた数だけラッキーがありますよ!。
たとえば、てんとう虫はウサギとカメと、どちらに止まっていると思いますか?。そうです!、誠実な方に(笑)。皆さんがもし、てんとう虫なら、どちらにとまるでしょうか?。え?、止まらないで飛んでいる?、もちろん、そんな絵もあります。
その16) ジャケット表紙の色変化
当初のラフではジャケット表紙画のカラーは、高貴な精神色の紫でした。が、絵担当の中間が、音源を聴いて、絵のイメージとは違うと感じ、メインカラーが変わりました。合わせて花、旗、細かいところの色が変わりました。
精神域というよりは、原曲に忠実という時代的・具現的なイメージがあり、歴史的なノスタルジー感がたっぷりでした。紫やピンクは時代色で、時代によってイメージが違います。現代では高貴であり幸福なイメージがある紫やピンクですが、昭和では全く逆のイメージも内包していた色なので、芸術的な高貴さを残しつつ、客観思考色であるブルーを基調に変更しました。だいぶ色が落ち着いた趣を感じられるようになりました。
みなさんは、どちらが音にあっていると思いますか?